反訳とは?意味や文字起こしなどとの違い、効率的な方法を解説

2024.04.222024.04.19

「反訳(はんやく)」という言葉をご存知でしょうか。

近年は、「文字起こし」や「テープ起こし」「書き起こし」と同じ意味で使われることがあります。

人によって次のように表現が分かれることがあり、混乱してしまうこともあるでしょう。

「この音声データを反訳してください」

「文字起こしをしておいて」

「会議の書き起こしをして」

それぞれの違いは何なのか、どういった場面で使用するものなのかわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、反訳とは何か、文字起こしなどとの違いとは何かを解説し、効率的な反訳の方法を紹介します。

反訳とは何か

現在における「反訳」は、音声を聞き取りテキストに書き起こしていく作業のことを指します。

本来の反訳は、主に速記記号を通常の文字に戻す作業のことを指していました。また、速記以外にも、ある言葉を読みやすい言語に変換すること、つまり翻訳を意味する言葉としても使われていました。

本来の意味で用いられなくなった経緯として、音声を記録する手段が発達し、速記などの需要が減ったことがあります。ICレコーダーなど高い品質で録音できるようになり、その場で音声を速記して書き残す必要が減少したのです。

反対に、録音した音声を文字に起こすケースが格段に増えたため、音声を聞き取りテキストに書き起こす意味に変化していきました。「音声反訳」と呼ばれることもあります。

反訳と文字起こし、書き起こしの違いとは

現代における「反訳」「文字起こし」「書き起こし」の意味は、いずれも同じ意味と捉えて間違いありません。「テープ起こし」も同じ意味です。

ただ、使われるシーンによって異なる作業を指すことがあります。

例えば次のような場合です。

「PDF文書をWordに書き起こしてほしい」

「手書きの文章を文字起こししてほしい」

「古い紙の書類を文字に起こしてほしい」

つまり、音声以外を対象として「文字起こし」「書き起こし」と表現する場合があるのです。

上記のように特別な指定がされていないのであれば、ほとんどの場合、音声ファイル(あるいは音声を含む動画ファイル)のテキスト化を指すと考えてよいです。

具体例として、次のようなものがあります。

・会議や打ち合わせ等の録音・録画データのテキスト化

・インタビューなどの取材音源のテキスト化

・セミナーや講演の内容をテキスト化

・裁判法廷用の証拠素材となる音声のテキスト化

反訳書とは

文字起こしや書き起こし、テープ起こしと同様の意味で用いられると述べた反訳ですが、その言葉が特に強調されるものがあります。「反訳書」と呼ばれるものです。

「反訳書」とは、証拠素材として裁判所に提出する音声データを書き起こしたもののことです。音声データだけでも内容はわかりますが、裁判では音声データと反訳書を合わせて提出することになっています。

反訳書を作成する際は、音声を全て文字に起こす必要があります。事実に即して全て正確に再現する必要があるのです。裁判という状況であるため、有利になる情報だけをまとめたり、不利になる情報を省いたりすることを防ぐためです。このような仕上げ方を「素起こし」と呼びます。「反訳 文字起こしの基本的な種類」で詳しく説明します。

その他の特徴に次のようなことがあります。

・誰の発言であるか明確に記載する

・定められた書式、ルールに則って作成する

・どのような話かわかるように内容をまとめる

「反訳」という言葉は、公的な場面で使われることが多いです。「反訳書」はその例といえます。

反訳 文字起こしの基本的な種類

反訳 文字起こしの基本的な種類

反訳をはじめとした音声をテキストに起こす方法について、詳しく解説します。

音声を文字に起こす作業には「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3つの仕上げ方の種類があります。

素起こし

音源の内容を、一字一句正確に文字に起こす方法です。「えー」「あのー」など、特に意味のない言葉や、言い淀んだ声などの音も全て文字に起こします。特に意味のない音も文字に起こすため、文章を読んでも内容がつかめない可能性があります。一方で、一言一句文字に起こすため、実際の会議や取材の現場にいた人にとっては、当時の臨場感や流れを思い出しやすいという特徴があります。

ケバ取り

「えー」「あのー」などの特に意味のない言葉や、言い淀みのある箇所などを取り除いて文字起こしする方法です。素起こしと比較すると無意味な文字が少なくなり、内容が把握しやすい文章になります。ただ、話した通りの順序のままなので、そのまま読んでも十分にわかりやすい文章とはいえません。

整文

無駄な音や言葉を取り除いたケバ取りの文章をさらに整え、わかりやすくする手法です。整文では、言葉の順序の入れ替え、語尾・文中の表現の統一なども行います。音源で何が話されているのか、説明されているのか、その内容を正しく理解する必要があり、文章を適時修正していくため、素起こしやケバ取りよりも時間がかかります。

なぜテキストにすることを求められているのか、その後どのように扱うのかによって、どの仕上げを選択すべきか異なります。

例えば、「反訳書」の場合は、全ての音を正確に再現することが重視されるため、素起こしが必要となります。

反訳の方法

先に説明した3つの仕上げ方とあわせて、反訳の流れもみていきましょう。前準備から順に説明します。

文字起こしする内容について事前知識を入れておく

話者は誰か、テーマは何か、用語などを整理しておくことで、その後の作業がスムーズになります。

録音機器の準備や環境確認

反訳のクオリティは音源の質で決まるともいわれます。録音前にしっかりと確認する必要があります。

音声の録音

特殊なケース(裁判書へ提出する証拠素材など)をのぞき、基本的には話者に録音の許可を取り、明瞭に話してもらうようにしましょう。

音声を文字に起こす

録音された音声をテキストに変換します。このとき、全て人力で行う方法、文字起こしツールやアプリ、ソフトウェアを用いる方法、外注する方法があります。次の記事で紹介していますので参考にしてください。

「翻訳しながら文字起こしできるアプリとサービス5選!」

修正や整える作業

「素起こし」「ケバ取り」「整文」それぞれに合わせて仕上げを行っていきます。ツールなどを使用する場合も、人の目による確認と修正は必須です。外注した場合も、内容をしっかりと確認しましょう。専門性が高い内容であったり、社内独自の用語が多出するような場合は特に注意します。

まとめ

いかがでしたか? この記事では、反訳とは何か、文字起こしなどとの違い、反訳の方法について解説してきました。

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