「未経験だけど文字起こしに挑戦したい。文字起こしの勉強を始めたい」
「文字起こしのスキルを上げて仕事の受注率を上げたい」
今の文字起こしのスキルを明確にし、目標設定にもつなげられる資格をお探しの方は多いのはないでしょうか
「文字起こし技能テスト」は、文字起こしの技能を測る資格試験の1つです。
本記事では、文字起こし技能テストとはどういった試験なのか、点数の基準や難易度、勉強方法について解説します。
文字起こしの資格
「文字起こし」とは、音声をテキストに起こしていく作業のことです。「テープ起こし」や「書き起こし」とも呼ばれます。
文字起こしとは何か? どうやるのか? 意外と知らない効率化の方法は?
特別な資格がなくても文字起こしの作業を行うことはできますが、資格を保有しておくとスキルをアピールしやすく、仕事の受注率や単価アップが期待できます。
文字起こしの専門資格には次のようなものがあります。
・「文字起こし技能テスト」
・「テープ起こし技術者 資格検定試験」
本記事では「文字起こし技能テスト」について詳しく解説します。
文字起こし技能テストとは
「文字起こし技能テスト」は、一般社団法人文字起こし活用推進協議会が主催する、録音された音声文字化の技能検定です。
1000点満点のスコア制のテストで、合格・不合格を決めるものではありません。受験者の技能を数字で客観的に表すことができます。
複数回受験することで、どの程度レベルが上がったか確認することもできます。
テストは年2回実施されています。自宅のパソコンから受験可能です。
文字起こし技能テストの科目や合格率、難易度は
文字起こし技能テストの科目
文字起こし技能テストは、知識編と実技編の2つで構成されています。知識編500点+実技編500点、計1,000点満点となります。
それぞれの出題内容は以下の通りです。
知識編
音声(MP3ファイル)を聞き、Webのフォームに解答を入力して送信。問題数は次の1~6から合計20問以内(解答欄の数は50個以内)。
1.聞き取り 聞き誤りの発見など
2.一般常識 固有名詞、歴史的事実、時事用語、ビジネス用語、新語、略語など
3.言葉の知識 敬語、重複表現、故事成語や四字熟語、同音異義語など
4.表記 仮名遣い、送り仮名、漢字や数字の使い分け、片仮名語など
5.話し言葉の処理 不要語の処理、語順の修正、変化した音の修正、助詞の修正など
6.文字起こしの知識 会議、講演、インタビューなどを文字起こしする際の知識
実技試験
長さ約5分の音声を仕様書に従って文字起こしして、Web上のフォームで送信。主な採点内容は以下の通りです。
聞き取り、一般常識、言葉の知識、表記、仕様に沿った処理、文字入力の正確さ
表記についての採点基準は、内閣告示「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」「外来語の表記」など(いわゆる「新聞表記」または「速記表記」に沿った表記かどうか)です。
受験申込時に、「新聞表記」「速記表記」いずれかの表記を選択できます。
・新聞表記:共同通信社『記者ハンドブック』の表記
・速記表記:日本速記協会『新訂 標準用字用例辞典』の表記
文字起こし技能テストの合格率、難易度
先に述べた通り、文字起こし技能テストは1,000点満点のスコア制のテストなので、合格・不合格は特にありません。スコアが技能レベルの目安となります。
主催元の文字起こし活用推進協議会では、スコアについて次のように説明しています(一部加筆修正を加えています)。
400点以上 | まず目指したい基礎ライン。話し言葉の基礎的な知識が身に付いている必要あり。 |
600点以上 | 職場や地域の組織などで一般的な文字起こしができるライン。仕事や生活に近い話題をある程度文字化できる。 |
800点以上 | 幅広い文字起こしをこなせる。知らない分野の音声でも調べながら文字化できる。 |
901点以上 | 文字起こしのエキスパート(※スペシャリストとして認定され、特典が受けられる)。 |
テストの過去の平均点は700点程度とされています。
公開されている過去3回の平均点は次の通りです。
第5回(2017年11月) | 知識編357点、実技編336点、合計点693点 |
第10回(2020年 5月) | 知識編371点、実技編328点、合計点699点 |
第11回(2020年11月) | 知識編321点、実技編346点、合計点667点 |
第11回の点数分布によると、601~700、701~800,801~900点がそれぞれ20%強と多く、次いで、501~600点が約15%、401~500点が10%強、10%弱で901~1,000、301~400点、5%以下で0~300点と続いています。
慣れた作業環境で挑めますし、出題内容が難しすぎてわからないということはないと思われますので、受験のハードルは高くないといえます。
初めての受験でも平均の700点以上を取る方も多いようです。
ちなみに、第11回の表記選択ごとの受験者数と点数も公開されています。ご参考にしてみてください。
表記別受験者数:新聞表記235名、速記表記39名
表記別平均点(合計点):新聞表記664点、速記表記690点
※スペシャリスト認定について
1,000点満点中901点以上のスコアを取得した一般申込み者はスペシャリスト認定がなされます(会員企業の社員は対象外)。有効期限はありません。
次のような特典が受けられます(2024年5月時点)。
・正会員企業へのご紹介
・受験料の値引き
・テキストが値引きで購入可能
・勉強会への無料参加
・スペシャリストマークの交付
文字起こし技能テストの勉強方法
文字起こしのスキルは独学で磨くことも可能です。
「テストのために特別な勉強はしていない」という人もいらっしゃるようです。
自身の現状を把握するだけであれば問題ないですが、実際に受験して点数を知って、さらに伸ばしたいと考える方は、本格的な勉強をしたいと考えるでしょう。
文字起こし技能テストの公式テキストが販売されていますので、それをもとに学習してみるのもよいでしょう。文字起こしの基本から、テストで問われる技能、具体的な採点ポイントを知ることができます。テキストで勉強した後は、公式問題集で実践問題をこなしていくのがおすすめです。
ある程度高い点数が取れるようになると、点数の伸び悩みにぶつかり、エキスパートとされる901点以上に行き着かないケースがあります。自分の弱点を知るためにも、主催元のおすすめするテキストや問題集を使って学ぶのは効果的といえます。
文字起こしを仕事としてやっていくためのポイント
文字起こしは需要が高いとされる仕事ですが、その分、注目度が高いとも考えられます。本業、副業、アルバイトなど、文字起こしに挑戦する方は多いですが、
「思ったように仕事が受注できない」
「作業がうまくこなせない」
と、お悩みの方もいらっしゃるはずです。
仕事として文字起こしをやっていくためには、次の様なポイントが重要になってきます。
・良い実績・評価を増やす
・効率的かつ精度高く作業できる技能を身につける
・クライアントのオプション希望に応えられるよう武器を増やす
これらは、個人で地道に積んでいくこともできますが、専門業者で働く中で培っていくこともできます。プロフェッショナルの仕事方法を学ぶことで、できることがぐっと増える可能性があります
求人を出している専門業者も多いので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたか? この記事では、文字起こし技能テストとはどういった試験なのか、点数の基準や難易度、勉強方法について解説してきました。
文字起こしのスキルを磨くのであれば、文字起こしのプロの技を知るのも1つの手です。
プロフェッショナルによる人力のテープ起こしを提供する専門サイト「コエラボ」は、
1分179円〜という低価格で音声データをテキスト化しています。英語起こしの対応、グローバルなWeb会議の録音データもテキスト化、医療や裁判など、専門性の高い領域にも対応しています。
当日・翌日に仕上げる迅速な対応も可能なため、早急な文字起こしが必要な場合でも頼りになります。
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