「書き起こし」という言葉に耳馴染みのある方も多いのではないでしょうか?
「イベント内容の書き起こし」
「打ち合わせの書き起こし」
「歌詞の書き起こし」
などなど、「書き起こし」という言葉は日常的に使われています。
「文字にすることが書き起こし?」と何となく思っていても、実際何かと訊かれるとうまく説明できないこともあるでしょう。
「文字起こし」「テープ起こし」など、似た言葉が多いことも混乱する理由です。
本記事では、書き起こしとは何か、文字起こし・テープ起こしとの違い、書き起こしの種類と方法を解説します。
書き起こしとは何か
「書き起こし」とは、主に、会話や発言といった音声を文字に書き表すこと、また、書き表したもののことです。映像や場の様子を文字に書き表すことを指す場合もあります。
「書く」という言葉に、文字にするという意味も持つ「起こす」という言葉が合わさってできたと考えられます。
実は「書き起こし」には異なる意味もあります。
1つは、文章などの「書きはじめ」「書き出し」という意味です。「起こす」という言葉には、物事が動き出す、新しく始まるという意味もあるので、「文章の書き起こし(文章の書き出し)」といった使い方も正しいです。
もう1つ、絵を描く際の下書きを、絵の具などの画材で色付けした後、再びくっきりと浮き出させる、描き直すことも「書き起こし」あるいは「描き起こし」といいます。
本記事では、音を文字に書き起こしていくことについて説明していきます。
書き起こしと文字起こし、テープ起こしの違い
音声を文字に起こすと聞いて、「文字起こし」や「テープ起こし」といった言葉を連想した方もいらっしゃるでしょう。
「書き起こし」と、「文字起こし」「テープ起こし」の意味は、いずれも同じ意味と捉えて間違いありません。また、「反訳」と呼ばれる作業も、本来の意味は異なりますが、近年の使われ方は「書き起こし」と同様と考えて良いです。
あえて違いを述べるのであれば、次のようなことが挙げられます。
「文字起こし」:先に説明した「書き起こし」の意味のうち、「書きはじめ/書き出し」「絵の線画や輪郭の書き入れ」を含みません。
「テープ起こし」:「テープ」とあるように、録音された音声を文字に起こすことを指します。「書き起こし」の場合も、録音音声を元にすることが多いので実質同様です。「書き起こし」は場合によっては、「紙で保管していた文書を書き起こしてほしい」など、音声以外を対象として用いることもあります。
それぞれの言葉の定義が若干異なりますが、基本的に同じものと捉えて問題ありません。
書き起こしの種類
書き起こしには「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3つの仕上げ方の種類があります。
素起こし
音源の内容を、一字一句正確に文字に起こす方法です。「えー」「あのー」など、特に意味のない言葉や、言い淀んだ声などの音も全て文字に変換します。特に意味のない音声も文字に起こすため、文章を読んでも内容がつかめない可能性があります。一方で、一言一句文字に起こすため、実際の会議や取材の現場にいた人にとっては、当時の臨場感や流れを思い出しやすいという特徴があります。
ケバ取り
「えー」や「あのー」などの特に意味のない言葉や、言い淀みのある箇所などを取り除いて書き起こす方法です。素起こしと比較すると無意味な文字が少なくなり、内容が把握しやすい文章になります。ただ、話した通りの順序のままなので、そのまま読んで十分にわかりやすい文章とはいえません。
整文
無駄な音声や言葉を取り除いたケバ取りの文章をさらに整えてわかりやすくする手法です。整文では、言葉の順序の入れ替え、語尾・文中の表現の統一なども行います。音源で何が話されているのか、説明されているのか、その内容を正しく理解する必要があり、文章を適時修正していくため、素起こしやケバ取りよりも時間がかかります。
なぜテキストにすることを求められているのか、その後どのように扱うのかによって、どの仕上げを選択すべきか異なります。
書き起こしの方法
先に説明した3つの仕上げ方とあわせて、書き起こしの具体的な方法をみていきましょう。前準備から順に説明します。
書き起こす内容について事前知識を入れておく
話者は誰か、テーマは何か、用語などを整理しておくことで、その後の作業がスムーズになります。
録音機器の準備や環境確認
書き起こしのクオリティは音源の質で決まるともいわれます。録音前にしっかりと確認する必要があります。
音声の録音
特殊なケース(裁判書へ提出する証拠素材など)をのぞき、基本的には話者に録音の許可を取り、明瞭に話してもらうようにしましょう。
音声を文字に起こす
録音された音声をテキストに変換します。このとき、全て人力で行う方法、文字起こしツールやアプリ、ソフトウェアを用いる方法、外注する方法があります。次の記事で紹介していますので参考にしてください。
「自動文字起こしのメリットや代表ツールの使い方・活用方法3選」
修正や整える作業
「素起こし」「ケバ取り」「整文」と、それぞれの種類に合わせて仕上げを行っていきます。ツールなどを使用する場合も、人の目による確認と修正は必須です。外注した場合も、内容をしっかり確認しましょう。専門性が高い内容であったり、社内独自の用語が多出するような場合は特に注意します。
書き起こしを外注するメリット
人力で書き起こしする場合、1時間の音源で約3〜4時間、場合によっては10時間以上かかることもあります。
人手が足りない、時間が足りない、スキルがないといった場合、専門業者へ外注することも選択肢として検討してみてください。
書き起こしを外注すると次のようなメリットが得られます。
・効率化や人件費削減につながる
・専門知識を活かして作業してもらえる
・高品質になる
ただ、外注先によっては次のような懸念点も生じます。
・情報漏洩:データの受け渡しが発生するため、依頼先が信用できるかどうか確認が必要です。評価の高い専門業者に依頼する、守秘義務契約を結ぶなどの対策を採ることができます。
・品質が保たれない:実績や評価を確認した上で発注するのがよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか? この記事では、書き起こしとは何か、文字起こし・テープ起こしとの違い、書き起こしの種類と方法について解説してきました。
日常的に使用される「書き起こし」という言葉は、シンプルだけれども奥が深く、作業者によってクオリティは異なります。
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