普段の業務で、会議や打ち合わせの文字起こしの作業を担っている方も多いのではないでしょうか。
近年、様々な文字起こしツールが登場し、身近なものとなっています。
実際に活用されている方の中には、「精度がイマイチ」「もっと精度を高める方法はないだろうか?」と気になっている方もいらっしゃるはず。
この記事では、文字起こしツールの精度を高める方法について解説します。
文字起こし、音声認識の精度とは
文字起こしとは音声をテキストデータに書き起こす作業のこと。音声をどの程度正確に書き起こせるかが重要になってきます。
従来は、ICレコーダーなどの録音機器を用い、音声を人力で書き起こしていく方法が主流でした。しかし、近年は、スマートフォンやパソコンで使用できる文字起こしツールも増えています。アプリタイプのツール、クラウド上で利用できるツール、オンライン会議の内容をほぼリアルタイムで文字起こししてくれるツールなどです。
文字起こしツールを用いることで、作業の効率化につながる可能性があります。
そこで気になってくるのは、「文字起こしツールの音声認識の精度はどれほどのものなのか」ということではないでしょうか。
また、実際に使用されてみて「精度がイマイチ」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
文字起こしツールの音声認識の精度は何によってどう変わるのか、解説します。
文字起こしツールの精度は録音状態によって変わる
文字起こしツールの音声認識の精度は、ずばり、録音状況によって変わります。よい録音状況かどうかで、音声の品質が変わるとも言い換えることができます。
ツールに限りませんが、音声の品質が悪いと正しい文字に起こすことは難しくなってきます。具体的には、音が小さい、音が割れている、雑音が多い、複数の話者の発言がかぶっている、などがあります。
人の耳で聞き取る場合、ボリュームを調整する、繰り返し再生して必要な音だけ聞き取る、話者の言いたいことなどをある程度予想する、など、臨機応変な対応もできます。しかし文字起こしツールは、ノイズや話者の聞き分けなどもある程度担ってくれますが、臨機応変な対応は不得手といえます。
では、録音した音声の品質が悪くなってしまう原因は何でしょうか。
その場で話を聞いている分には気にならなかったけれど、後から音声を聞き返してみるとうまく録音できてなかったということもあります。いつも通り録音したつもりが、ある時だけうまくいかなかったということもあるでしょう。
次で紹介する、シチュエーションに合った録音が重要になってくるのです。
文字起こしツールの精度を上げる方法
文字起こしツールの精度を上げる方法をご紹介します。ポイントは、シチュエーションに合ったベストな録音をすることです。
雑音を減らす、なるべく必要な音だけを録音する
録音する部屋の大きさ、場所、話者と録音機器の距離などによって、音声の品質は変わってきます。話者と録音機器が遮られず、離れすぎない場所で録音するのが理想です。会議室など外と仕切られている個室であれば雑音も少なく録音できます。
話し方に注意する
声の音量が小さいと拾うことができないこともあります。先の録音環境に注意の上、話者一人ひとりに十分な声量で話してもらうようにするとよいでしょう。
また、話者それぞれに聞き取りやすい話し方を意識してもらうことも有効ですし、進行役の誘導の仕方によって落ち着いて話すことができます。近年増えたオンラインでの会議などでは、特に、次に誰に発言してもらうのかわかりやすくすることで、話者の発言かぶりが減り、音声品質を高めるポイントになってきています。議事録が必要な会議であれば、会議の段階からそれを意識した対応を取るようにするとよいでしょう。
マイクなどの機器を使い分ける
パソコンなどに内蔵されているマイク、外付けできるマイクなど、機器によっても精度が大きく変わります。パソコンなどに内蔵されているマイクは、広い空間の集音に向かないことが多いです。また、パソコンに搭載されている以上、場所を調整しづらいこともあります。遠くの音声以外が拾えなかったり、逆に近い音声が音割れしてしまうこともあります。
外付けマイクは、機能の幅が広く用途に合わせて活用することができます。ただ、品質は高いものも低いものもありますので、予算と機能を確認した上で購入することをおすすめします。
文字起こしに高い精度を求めるなら外注も検討しよう
環境を整えた上で文字起こしツールを使っても、全て正確に、とはいきません。
誤った文字起こしはどうしても発生してしまいます。文字起こしツールは、社名や人名といった固有名詞、専門用語、話し手が複数いる場合の聞き分けなどができないことも多いです。文字起こしツールの作業結果は人が確認し、修正する必要があります。
高い精度の文字起こしを求めるなら、専門業者に外注するという選択肢もあります。文字起こしの外注について、次の項目で解説します。
文字起こしを外注することのメリット
先に述べた通り、最適な環境で文字起こしツールを使ったとしても完璧に仕上げることは難しく、人の手が必要になります。
これら文字起こしにかかる作業を外注することで次のようなメリットが期待できます。
・効率化を図ることができる
・人件費が削減できる
・高品質になる
注意したいのは、これらはプロフェッショナルな方に依頼した場合のメリットだということです。
外注先によっては、次のようなデメリットが発生してしまうこともあります。
・情報漏洩
・品質が保たれない
・契約不履行
文字起こし作業を外部業者に委託する場合、データを第3者へ渡す必要があります。そのため、情報漏洩が起きる可能性もゼロとは言えません。社外秘の重要なデータに関しては自社で文字起こしを行う、事前に外注先と守秘義務契約を結ぶなど、対策を講じる必要があります。
また、専門業者に依頼するのであれば高い品質を期待できますが、新規で個人に依頼する場合は技量を測り切れず、成果物の品質が期待と異なるケースもあります。
さらに、クラウドソーシングなどを経由して個人の方と契約する場合もあるでしょう。業務委託契約書を結ばず、口頭やメッセージのみでやりとりしてしまい、突然音信不通になってしまうケースもあるようです。
いずれにせよ、依頼する前に信頼に値する相手かどうかしっかりと見極める必要があります。
もちろん、個人の方でも技術が高く、信頼できるプロフェッショナルはたくさんいらっしゃいます。一方で、「いい人を見つけるのが大変」というお声も耳にしますので、その場合は文字起こしの実績を持つ専門業者を頼ることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか? 本記事では、文字起こしツールの精度を高める方法について解説してきました。
文字起こしツールは、身近で、気軽に活用しやすいものになっています。これまでの業務の効率を高めてくれる可能性を持っています。
しかしながら、完璧な文字起こしには人の手が不可欠です。精度を高めることを考えると、どうしても手間が生じてしまいます。
精度を高く、しかし時間も抑えたいという方は、プロの力に頼ってみることをおすすめします。
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