文章を作成する際、「表記ゆれ」に注意したことはありますか?
インターネットを介して広く情報を提供できるようになった現代、文章のクオリティや読みやすさが重視されるようになっています。
言葉のゆらぎや表記の不統一とも呼ばれる「表記ゆれ」もこれらに直結する重要な要素です。
何か文章を読んでいて「あれ、同じ言葉なのに書き方が違う」と疑問を持った経験がある方も多いのではないでしょうか。
表記ゆれは読み手に違和感や負担を与えるため、なるべく発生させないことがよいとされています。
本記事では、表記ゆれとは何か、表記ゆれのパターンと具体例、修正すべきケース、チェックの方法を解説します。
表記ゆれとは
「表記ゆれ」とは、文書の中で、同じ意味を指す言葉の表記が異なっている状態を指します。
「表記ゆれ」があると、統一感がなく読みづらい文章になったり、読み手に文章の質が低いという印象を与えたりします。近年増加しているインターネット上のコンテンツにおいては、表記ゆれが多いとコンテンツの品質を下げる可能性があります。
執筆時に表記ゆれが発生しないよう意識し、執筆後に表記ゆれの発生がないか確認し修正する必要があります。
パターンで解説! 表記ゆれの具体例
表記ゆれの具体例にはどういったものがあるのか解説します。
以下は表記ゆれの主なパターンです。
・ひらがな/カタカナ/漢字の表記ゆれ:「おすすめ/オススメ」「さまざま/様々」「わかる/分かる」など。
・数字の表記ゆれ:「1つ目/一つ目」「1週間/1週間」「1人/一人」など。
・送り仮名の表記ゆれ:「行う/行なう」「売上/売り上げ」など。送り仮名には本則と許容、公用文ならではの決まりなどがあります。文書の性質に合った送り仮名にそろえるのがよいでしょう。
・漢字の表記ゆれ:「思い/想い」「越える/超える」など。誤用の場合も多いので文脈に合っているか確認が必要です。
・アルファベット(全角/半角、大文字/小文字)の表記ゆれ:「WEB/Web」など。
・外来語の表記ゆれ:「アイデア/アイディア」など。
・単位の表記ゆれ:「センチメートル/cm」など。
・人称・呼称・敬称の表記ゆれ:「私/わたし」「皆/皆さん/皆様」など。
他にも、「ネット/インターネット」「スマホ/スマートフォン/スマートホン」「アプリ/アプリケーション」といった呼び方による表記ゆれも散見されます。
主なパターン以外にも、表記ゆれは発生します。企業や人によって扱う言葉は様々であるため、それぞれの表記ゆれが発生します。
「同じ意味を指す言葉の表記が異なっている」という表記ゆれの本質をもとに、「この表記は統一しなくていいのだろうか?」と確認していくことが重要です。
表記ゆれを修正すべきケースとは
表記ゆれは基本的に発生させないようにするもの、発生している場合は修正すべきとお伝えしましたが、実は修正しなくてもよいケースもあります。意図して異なる表記になっていて、表現として誤りでない場合です。
例えば、ある文書内に「申込」と「申し込み」という表記が混在していたとします。「申込書」と「お申し込みください」のように、単語と動詞で使い分けているのであれば修正の必要はありません。
他にも「1週間」「1回」など算用数字を多用している文章の中に「一挙解説」といった漢数字がある場合、後者は数字も含めて1つの単語なので漢字のままで正しい表記であり、修正の必要はありません。
また、数字の表記で、「約3〜4時間、場合によっては10時間」のように半角と全角が混在している場合があります。公用文や出版業では、一桁の数字は全角、二桁以上は半角といったルールがあり、修正の必要がない表記ゆれである可能性があります。
このように、正しく使い分けた結果表記が混在している場合以外は、修正するのがよいでしょう。
表記ゆれのチェック方法
表記ゆれのチェック方法として、次の3つがあります。
・自身で読み直し、目視で確認していく
・チェックツールやソフトウェアを使う
・校正者などに依頼する
自身で確認する場合は、先に挙げたような主な表記ゆれパターンと照らし合わせていくのがよいでしょう。特に、多く発生しがちな表記ゆれをあらかじめリストにしておくことで、毎回のチェックの精度を高め負担を減らすことができます。「表記ゆれになっていたな」という言葉を単語辞書登録しておくと、次回以降の発生を防ぐことができます。
専門のチェックツールやソフトウェアを使うと、主な表記ゆれを素早く見つけ出すことができて便利です。Wordに備わっている校正機能でも表記ゆれはチェックできます。ただ、目視でないとひっかからないような表記ゆれも多いので、ツールを使う場合も目視のチェックは行なうことをおすすめします。
校正者などの専門家に依頼することで、精度の高い表記ゆれチェックが期待できます。また、自分では気付けないような部分もチェックしてくれるため、その後の文章作成のためにもなります。
表記ゆれは、その時々のチェックはもちろん、次回以降発生させないようにすることも大事です。日頃文章を扱うメディア等では、自社の表記ゆれのチェックリストを用意していることがほとんどです。発生しやすい表記ゆれや、どの表記にそろえるかといったことを備忘化しているのです。リストにもとづいてチェックできるため精度が高くなります。
文字起こしを活用して表記ゆれを防ぎ文章作成を効率化
表記ゆれを未然に防ぎ、後のチェックや修正作業の負担を減らす方法として、「文字起こし」の活用があります。
「文字起こし」とは、音声をテキストデータに書き起こす作業のことです。「テープ起こし」や「書き起こし」と呼ばれることもあります。
例えば、会議や打ち合わせの内容を文章にする、セミナーや研修の内容を文章にする場合、一度文字起こしをすることで、その後の文章のクオリティが高まることがあります。
そもそも、表記ゆれの原因として、執筆の際のルール(この表記を使う・使わないなど)が定まっていないために、執筆しながらその時々自由に言葉を選んでしまうということがあります。はじめは「私」と書いていたのに後半は「我々」になっているということがよくあります。
文字起こしをすることで、ある程度、言葉を固定して文章化することができます。もちろん話し手の表現に左右されることはありますが、一から文章を作るよりも俯瞰して全体を見ることができます。
「文字起こしは負担になる」という声もあるでしょう。実際、人力で文字起こしする場合は1時間の音源で約3〜4時間、場合によっては10時間以上かかることもあるといわれます。文字起こしのツール・アプリ・ソフトウェアを活用する、文字起こしの作業を専門
業者に外注するといった方法もあります。効率化を図りつつ、文章の質も高めたい方にはおすすめです。
まとめ
いかがでしたか? この記事では、表記ゆれとは何か、表記ゆれのパターンと具体例、修正すべきケース、チェックの方法について解説してきました。
質の高い文章には様々な要素があり、表記ゆれを抑えることも重要です。文章作成全体の効率化や精度向上を考えたとき、文字起こしの作業からもアプローチを図ることができます。
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