議事録作成に差がつく、実践テクニック4選

2022.08.222023.05.31

議事録作成に差がつく、実践テクニック4選


ビジネスの現場で、議事録を作成する機会が増えています。新型コロナウイルス感染症に対するITソリューションとして、2019年度と比べて22.8%増(アイ・ティ・アール(2020年8月ITR調べ)という大幅増となったWeb会議市場をみてもわかるように、オンライン会議の機会が増えているからです。
このページでは、議事録を作成する際の基本的なルールや、早く、上手に作成するコツについてご紹介します。
さらに、効率的な議事録作成ができるように、議事録を作成する外注先についてもご案内します。


議事録を作成する目的とは?

オンライン会議の増加とともに、議事録を作成する機会も増えています。

議事録という言葉は、本来「会議の内容すべてを正確に記録した文書」を意味しています。ビジネスの世界でいう議事録とは、もう少し広い範囲で用いられていますが、いずれにせよ、会議の参加者だけでなく、会議には参加していない上司とも情報を共有する可能性がある文書です。個人的なメモとは異なり、公的な側面があるのです。
オンライン会議が増えれば増えるほど、議事録を残して情報を共有する必要が高まるのは、オンラインだと、対面よりも、情報の伝達に限界があると考えられます。

そもそも、ビジネスの現場で議事録を作成する目的とはどのようなものでしょうか?
議事録作成の目的は端的に言えば、情報の共有です。
具体的には、会議内容の概要と、会議で決まった決定事項と今後取り組む課題、この3点を共有するために記録します。

「会議の概要」を記録する

参加者が発言した内容を共有し、備忘録にしたり、言質を明確にしたりします。

「会議の決定事項」を記録する

会議での決定事項を文書化します。

「課題」を記録する

会議で浮かび上がった課題を共有し、担当者や納期、アクションプランを明確にします。

このような情報を、会議の「発言内容をわかりやすい文章にする」ことが、より良い議事録の作成につながります。
ここから、議事録の作成で差をつけるテクニック4選をご紹介しましょう。

議事録作成で差をつけるテクニック-基本編-

繰り返しになりますが、議事録作成のコツは、「発言内容をわかりやすく文章化する」ことです。
まずは「わかりやすくまとめる」ための基本ルールをご紹介しましょう。

議事録の前提情報を入れる

議事録には、「会議内容の概要」「会議での決定事項」「次の課題」が盛り込まれます。
さらに議事録作成の前段階としては、次のような基本情報を入れておきましよう。
・会議名
・出席者
・日時
・次回開催の場所、日時

これらは、文頭、または文末に、箇条書きで入れます。カジュアルな議事録であっても、たとえば議事録を送るメールの件名を「開催日時:会議名」にしておくだけでも、議事録としての体裁が整います。

議事録のまとめ方は、新聞記事の冒頭を意識する

会議の発言内容を議事録にまとめる場合は、簡潔に書くことを心がけましょう。「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」という、「5W1H」の書き方が伝わりやすいでしょう。
議事録の書き方のコツがつかみたいときは、「新聞記事の冒頭」を読むことをおすすめします。新聞記事の冒頭は、必ず、5W1Hで構成された文章になっています。その冒頭の数行を読んだだけで、読者は、記事の全体像がわかる仕組みになっているのです。
議事録作成で、この新聞記事の冒頭の書き方を意識すると、会議に参加していない人でも、全体像の概要を把握することが容易になるでしょう。

「概要」や「決定事項」には、箇条書きのタイトルを入れる

議事録には、「Aプロジェクトの件」「Bの進捗について」など、案件ごとに箇条書きでタイトルをつけると、読み手にわかりやすく伝わります。要点を伝えることを焦点をあてて、必要な情報だけを書きましょう。

「課題」には、担当者や時期を盛り込む

議事録は、業務を前に進めるために作成されています。会議で浮かび上がった課題や、アクションプランには、担当者と締め切りを入れておきましょう。担当者名と締め切りがないと、責任の所在があいまいになるからです。

議事録作成で差をつけるテクニック-メモの取り方編-

議事録作成のテクニック、ふたつ目はメモのとり方です。

評価される議事録は、次のような点を押さえています。

・会議の結論がわかりやすい
・会議に出席していない人が読んでも、内容がわかりやすい
・決定事項と、その経緯がわかりやすい

このような議事録を作成するのに役立つメモのとり方をご紹介しましょう。

担当者の名前は、単語登録しておく

実際の会議では、結論が二転三転したり、発言者によって意見が異なることもあります。
話が蛇行したとしても、議事録を簡潔にわかりやすくまとめるには、たとえば事前に会議出席者の名前を単語登録しておいたり、色わけしたりして、話が移り変わったときにも対応できるような準備をしておきます。

メモ自体を、ルール化しておく

担当者を単語登録するだけでなく、メモそのものをフォーマット化しておくことも、その後の議事録作成を楽にします。
会社によっては、すでに議事録のフォーマットが存在している場合もありますね。その場合は、そのフォーマットにはめて、あらかじめ項目を洗い出しておきましょう。
フォーマットがない場合は、たとえば担当者別や案件ごとに区分けしておくなど、あらかじめルールを決めておけば、複数の案が出たときでも案ごとに誰がどのように発言したかが明確になりやすいです。

議事録作成で差をつけるテクニック-文章整理編-

議事録作成のテクニック、最後は文字起こしをする際の文章整理についてです。

さきほどからご紹介しているように、議事録作成のコツは、「発言内容を、わかりやすい文章にまとめる」ことに尽きます。
発言(喋り言葉)から文章(書き言葉)へ変換する際には、次のような点に注意を払います。

「ケバ取り」をする

実際の会議で飛び交う会話は、文章のように理路整然とはしないものです。
「ええと」「あー」と言った言いよどみや言い間違いなど意味のないフレーズが繰り返されることも多々あります。このような、会議の内容とは関係のない言葉を「ケバ」と言います。そして「ケバ」を削除したり、修正したりする作業を「ケバ取り」と言います。
議事録を作成する際には、こうした「ケバ取り」をした上で、テキスト化していきます。と、ここまで読んできて、あたり前のように感じる方もいるかもしれませんが、音声データを聞きなおしてみると、「ケバ」は、かなりの頻度で発生していることに気づくことでしょう。

主語述語の入れ替え、語尾の統一をする

話し言葉では、「あれ」「これ」などの指示代名詞を使ったり、文章の主語述語が入れ替わっていたり、あるいは主語そのものがなかったりするケースも少なくありません。
議事録を作成する際には、語尾を「ですます調」あるいは「である調」などに統一する必要も出てくるかもしれません。

発言の訂正をする

議事録とひと言で言っても、社内のひとつの部署や小規模プロジェクトの備忘録的な議事録から、取締役会など厳正な情報共有を求められる議事録まで多種多様です。
正確な議事録で訂正や修正をする場合は、たとえば、該当箇所を二本線で抹消し、 余白に「●字抹消、●字加筆」と書き込んで訂正印を押すなど、厳密なルールがあります。

議事録作成で差をつけるテクニック-効率化-

これまでご紹介してきた議事録の作成を、さらに効率化したい場合は、AIの音声認識ソフトを活用する方法があります。
現在、音声データを自動でテキスト化する音声認識ソフトが、多く流通しています。AIが、人間の話す言葉を自動で文字列に変換するソフトは進化し、精度も上がっています。年々、金額も手軽になっているので、利用されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
音声認識ソフトは、音声データを文書化するには「早くて安い」と言えるでしょう。
ただし議事録作成という観点でみると、AIが音声データをテキスト化するソフトは、発言をそのまま再現するだけにとどまることに注意が必要です。
これまでご紹介してきたように、議事録を作成するにはケバを取ったり、会議の内容を要約したり、言葉を入れ変えたりという文章整理の必要があります。ですから、音声認識ソフトだけで議事録を作成することはできないことを覚えておきましょう。

まとめ・ヒューマンパワーによる文字起こしサービス

最後に、膨大な議事録を作成する場合には、文字起こしサービスに依頼する方法もあります。
原稿のまとめ方では、さまざまな方法で音声データをテキスト化している仕様をご紹介しております。
ケバ取りをした文章、ですます調など語尾の統一、多言語対応など、細かなリクエストに対応しています。とくにおすすめなのは「要約」というメニュー。音声データを全体の60~70%に要約して文書化します。概要のみをわかりやすくまとめてくれるので、そこからさらに必要な情報を抜き出せば、迅速に議事録を作成することができます。

さらに、オンライン会議の議事録作成に特化して、議事録作成の専用ライターが会議から参加するサービスも提供しています。